~コンタクトプローブが果たす重要な役割~
シリコンウエハ とは何か
シリコンウエハ (シリコンウェハ、シリコンウェーハとも表記されます)とは、半導体チップ(IC)を製造するための円盤状の土台です。半導体製造では、まず高純度シリコンを単結晶(インゴット)として育成し、それを薄くスライスして直径数インチから300 mmクラスの薄い円盤(ウエハ)に加工します。ウエハの表面には、多数の同じ回路(ダイ)が繰り返し配置され、後工程で一つずつ切り出されます。
基本用語としては、
- ウエハ:チップが並んだ状態の円盤
- ダイ:切り出された1つ1つのチップ
と理解しておくと便利です。

ウエハ段階で行う「ウエハテスト」とは?
ウエハテストとは、ダイを切り出す前の段階で、ウエハのまま電気的な検査を行う工程です。不良品(働かない/条件外のダイ)を早期に見つけることで、後工程(パッケージング)に不良ダイを流さず、コストと時間の無駄を大幅に削減できます。
検査には、テスターに接続されたプローブカードが使用されます。プローブカードの先端にあるプローブが各ダイのパッドに接触し、信号の送受信を行います。
主な検査内容は以下の通りです。
- オープン/ショートなどの電気的導通チェック
- 電源投入時の基本機能確認(スモークテスト)
- メモリの読み書き試験、アナログICの特性測定
- 高周波(RF)測定や大電流試験(専用カードを使用)
用途により、要求される速度・精度・接触性能が大きく異なります。
ウエハ検査を支える装置とプローブの関係
| 装置・部品 | 役割 |
|---|---|
| ウエハプローバ | ウエハを固定し、プローブカードを精密に位置合わせする機械装置。検査の“舞台装置”です。 |
| プローブカード | 無数のプローブ(針)が集約された接触インターフェース。カンチレバー型・垂直型、用途に応じて使い分けられます。また、高周波、大電流、非磁性対応など種類があります。 |
| コンタクトプローブ | プローブカードの一部やICソケットに組み込まれる「ばね内蔵の接触針」。安定した接触力と高い耐久性を持ちます。 |
- 接触抵抗と信号品質:特に高周波測定ではプローブ自体のインピーダンスが測定に影響します。プローブ配置(グラウンドピンの配置など)でインピーダンス整合をとる設計が行われます。
- 寿命とサイクル:量産工程では百万回単位の接触サイクルが要求され、高耐久材料が使われることが多いです。

*プローバはメーカーごとに構造や仕様が異なりますが、プローブカードとの組み合わせ方や使い方は基本的に共通です。
精研の強み ― 「高信頼プローブ×設計力」で検査を支える
精研では、コンタクトプローブの製造からプローブカードの設計・製作までを一貫対応できます。
- 大電流対応 / 高周波対応 / 非磁性対応などプローブの開発実績あり
- 1本のプローブからカスタム試作可能
- 用途に応じたプローブカードの最適設計も対応
ウエハ検査・ソケット評価・基板試験など、確実な「接触」と「測定品質」が求められる工程があれば、ぜひ精研にご相談ください。
